クリーニング

クリーニング店は楽な仕事じゃない! クリーニング店舗のお仕事内容

「クリーニング店で働いてみたいけど…実際どんなことしてるの?」

 クリーニングの受付って、なんとなく洗濯物受け取って、渡して、残りの時間は暇そうと思われがちです。

実際、私が面接したパートさんの殆どが「クリーニングの受付は簡単」だと認識しておりました。が、とんでもない(笑) クリーニング店の受付は実はやる事も覚える事も沢山! (でも、洗濯やお買い物に役立つ知識が覚えられて、お給料ももらえるならお得でもあるかも) 

 そんな変わったサービス業であるクリーニング店の、主なお仕事内容をご紹介しようと思います。

 ここで書くことが全てではありませんが、クリーニング店で働いてみようと思っている方はぜひ見て見てくださいね!

 ※あくまで、店舗によっても違う事がありますので、そこはその会社様に直接確認してみてくださいね♪

 一概にクリーニング店といっても、【店舗のみ】【工場のみ】【ユニット店】といろいろありますが、今回は【店舗のみ】のお仕事を簡単に説明していきますね。

 店舗のみのクリーニング店は、主な作業が接客であり、衣類の洗いや仕上げが無い店舗になります。 皆さんが一番に想像するお店がこれにあたるかとおもいます。 おおまかなクリーニング店舗での1日のルーティーン例は以下の通り。

  1. 開店業務
    • レジの立ち上げ作業
    • 店舗の清掃
    • 連絡事項の確認
    • 開店
  2. 受付業務
    • 接客業務
    • 衣類の検品業務
    • マーキング
  3. その他業務(2番の作業が無い時にやる作業)
    • 仕分け検品作業
    • 工場に送る品物と伝票の準備
    • 電話掛け
    • クレーム対応
    • 店内の飾りつけ(たまにある)
    • 両替
  4. 閉店作業
    • レジ締め
    • 翌日への連絡事項の共有
    • 売上報告書の記入(店舗による)
    • 売上金とレジ金を金庫に入れる

 その他に、以下の作業がはいる店舗もありますが、会社によっても大きく違うので、あくまで例としてみてくださいね!

  • シフト作成業務
  • POPの作成
  • 研修会

 基本的には店舗の店長さんがやる業務ではありますが、会社によっては研修会や工場見学、年に一度の実務報告などの会に参加せねばならない店舗などもあります。 ただ、殆どの場合は無いかと思いますので…また別の機会にお話ししようと思います。

 

 接客の伴うお店の殆どに該当するかと思いますが、まずは朝一出勤してからのお仕事「開店業務」です。 項目ごとに主な作業内容をご説明します。

  1. レジの立ち上げ作業
    • レジ金(お釣り)の差異が無いかの確認と準備
    • レジの設定に間違いが無いか、日付や仕上り日の設定の確認と訂正
    • 台帳の印刷(店舗による)
  2. 店舗の清掃
    • レジ回りの消毒と拭き掃除
    • ガラス窓の清掃
    • 店内の掃き掃除
    • トイレ掃除
    • 床の掃き掃除やモップ掛け
    • ホコリとり
  3. 連絡事項の確認
    • タブレットやノートなどの情報共有ツールの確認
    • 前日のメモなどの確認
  4. 開店

 私が知る限り、クリーニング店で自動レジを使っている店舗は見たことがありません。 そのため、現金の場合はかならず釣銭の差異がないかのチェックは必須になります。 この作業は全日の夜の方がチェックしている釣銭準備金を再確認することで、出来るだけ差異を無くす為でもあります。 また、1円でも差異がある場合でもかならず報告しましょう。 数え間違いの可能性もあったり、売上金に間違えていたり、たんなる釣銭ミスの可能性も考えられますが、嘘の報告だけは絶対にやめましょう。 ミスはミス!次やらなければいいと気を付ければいいだけです。 勿論、多かった場合も必ず報告するようにしましょう。

 クリーニング店での一番メインになるお仕事になります。 物販と違い、クリーニング店ではお客様の品物を「預かる」お仕事です。 その為、普通のレジとはやる事がまったく違います。 ここではそんなクリーニングの受付業務を解説していきますね!

  1. 接客業務(受付)
    • お客様の品物を預かり、洋服の種類にあったものをレジに打ち込む
      • スーツなら「スーツ」のキーを、セーターなら「セーター」のキーを押す
    • 水洗いなのかドライ品なのか、品物やお客様の要望に合わせた洗い方のキーを押す
      • 防虫加工希望なら「防虫」、水洗いしか出来ない物なら「ウェット」など
    • お客様の品物に穴やホツレ、シミ、ボタンの欠けや取れ掛けなどが無いかチェックする
      • 出来ればその場でお客様と確認。出来ない場合でもマーキングの時に確認をして、お客様に了解を得てから工場へまわす
      • ボンディングやポリウレタンコーティングなどの、経時劣化による剥離の有無とリスクの説明をする
    • 金額の提示と清算
    • 仕上り日と時間をお客様にお伝えして、引き換え用の伝票をわたす
  2. 接客業務(引き渡し)
    • お客様から引き取り用の控えを受け取り、その番号の品物を用意する
    • 品番と品物の種類があっているかお客様と一緒に確認する
    • シミ抜きや、工場からのメモなどがある場合はお客様に説明する
    • 未精算の物がある場合は精算する
    • そのまま、あるいは袋に入れてお渡しする
  3. 衣類の検品業務
    • 受付でお客様と確認するだけでなく、必ず以下の点をチェックする
    • ボタンの欠けや取れているものがないか
    • シミの有無
    • ホツレや綻びの有無
    • 劣化による傷みや加工の剥離がないか
    • ボンディングやポリウレタンコーティングなどの剥離はないか
    • プリントやラメ、ビーズ、スパンコールなどのとれかけや変色の有無
    • その他衣類の種類によって確認事項あり
  4. マーキング作業
    • 伝票を見ながら、その品物に該当する番号のタグを品物につける
    • 加工やリスクの了解、シミなどのタグがあればそれらも忘れずにつける
    • 日付の変更があるものには日付をクリーニングペン(洗ってもにじまないペン)で記入する
    • 品物を出来るだけ傷めない場所につけるように注意する

 ざっとの説明になりますが、おおまかな受付での作業はこんな感じです。 もちろん、会社や店舗によってもやりかたは違うので一概にこうとは限りません。 これよりももっと少ない作業の場合もあれば、もっと細かいお店もあります。

 お客様がいらっしゃらない時にやるお仕事になります。 この作業も大切な作業のため、時間厳守のものが多くあります。 とくに、店舗のみの場合は品物を工場に荷物を送らなくてはならないため、決まった時間の集配に品物を乗せる必要があります。

 他にも、お客様の仕上り日と時間に間に合うように仕分けて準備をしておく必要もあります。

 ここではそんな、受付時以外にやらなくてはならない作業をご紹介いたします。

  1. 仕分け検品作業
    • 工場から送られてきた品物と、お客様の伝票(工場控え)を確認し、間違いないかチェックする
    • 台帳と照らし合わせ、今日仕上りの物などキチンと届いているかチェックする
    • シミ抜きや加工など、要望通りに出来ているか確認する
    • 当日の仕上がりで届いていないものや、シミのチェックがされていないものなどは工場に確認の連絡をする
    • 指定の収納場所に順番通りに収納する
  2. 工場に送る品物と伝票の準備(会社によって方法はかなり違うのであくまで一例)
    • ドライ品、ウェット、シミ抜き、加工品、デリケート品、外注品など、工場から指定された方法に仕分ける
    • 品物と一緒に必ず伝票(工場控え)を送る
    • 集配の方に忘れずに渡す
  3. 電話掛け
    • 仕上りから一週間以上取りに来られていないお客様に引き取りのご連絡をする
    • 見積りや伝達事項のあるお客様にご連絡をする
    • あとから気が付いた衣類のリスク(シミやボタン割れなど)をお客様に確認をとる
  4. クレーム対応
    • 社員の指示があればお客様にご連絡したり、クレーム対応の結果報告など
    • 弁償の場合はその金額や領収書の記入などの作業
  5. 店内飾りつけ
    • セールの告知や季節ごとの飾りつけなど
    • 季節ごとのオススメメニューなどの貼りだし
  6. 両替
    • 集配者にお願いする場合と、直接銀行に両替をする場合がある
    • 会社によっては常に両替を新しいものにする店舗もある

 ここで一番の不安点はクレームですよね。 基本的にクリーニング店は「クレーム産業」なんて呼ばれています。 その理由や主な内容は、また別の機会にお話ししようとおもいます。

 基本的にはクレーム対応は社員がやりますが、どうしても店舗にお客様が来ることになるため、最終的なやりとりは受付スタッフになります。 なので、出来るだけクレームを防ぐ為にも、検品作業は大切な内容になります。

 店長の立場や、場合によってやる可能性のあるお仕事の一例をご紹介します。 とくにクリーニング店は店長さんがいる場所と、そうでない場所があります。 また、社員が居ない店舗が殆どです。 その為、店舗内でのシフト作成や売り上げの報告などをやらなければならない可能性があります。 もちろん会社にもよりますがここではあくまで自身が体験してきた作業としてご紹介いたします。

  1. シフト作成
    • 店舗のスタッフの休み希望や店舗の忙しさを加味して1週間や1ヶ月毎のシフトを作成します。
    • 店長、またはその中で一番適した方が作る可能性が高い作業。
    • 年末年始やGW、大型連休など、サービス業の為あまり長く休みは無いことが多い。 また、パートさんの殆どが主婦の方なため、休み希望が被りやすい点が大変。 早番と遅番などもある為、希望をバランスよく取り入れて作る必要がある。
  2. POP作成
    • セールの告知やサービスの告知、季節ごとのオススメ商品などのPOPを作成する作業。
    • 基本はプロの方に依頼しますが、小さなお店などは会社のパソコンで作成する場合もあります。
  3. 売上の報告
    • 殆どの場合レジから直接送られるが、場所によってはタブレットや手書きでの売上の報告や点数の報告などする場合があります。
  4. 研修会、その他ミーティング
    • お客様からの質問に困らない様に、工場での作業や会社での講習会に参加する場合があります。
    • 年度末に売上の報告、新年度の方向性などを共有するための会議への参加。
    • 接客やクリーニング知識への講習会の参加。
    • 必ずではありませんが、しっかりした会社ほどやっている事が多い。

 よくあるチェーン店さん、大手で手広くされている会社は、そもそも店舗が多すぎる為にあまり講習会などは開かないイメージがあります。 逆に、個人店様やご家族で経営なさっているクリーニング店様ほど、講習会や知識の共有などに力を入れているように思います。

 どちらが良いというわけえでもありませんが、「お金稼げるだけでいいや」というなら大手さんの方がいいかも知れません。 ただ、お客様目線で考えると「この品物預けて大丈夫?」という不安もありますので、個人的にはご自身が信頼おけるお店が一番オススメです。

 クリーニング店のお仕事、想像より沢山あるなぁ…なんて思ったのではないでしょうか? どんなお仕事にも言えるかと思いますが、クリーニングのお店も「進化」していくお仕事です。 とくに、新しい繊維やデザインが出るたび、洗い方やリスクの説明なども出てきます。 では、クリーニングのお店で働くうえでのメリットとデメリットは何でしょうか? ここではクリーニング店で働くうえでのメリットどデメリットをお話しようと思います。

メリットデメリット
洋服の知識がつく洋服買う時絵表示見て判断しがち
洗濯の知識がつく知識が必要で覚えるのが大変
閑散期は暇になりやすい繁忙期は残業する場合もある
ワンオペ率が高く気兼ねない※一人の為、トイレに行き難い※
ほとんどの方がお得意様クレームが多い
力仕事が少ない人の物を扱うので丁寧さが必要

※店舗により2人体制もあります

以上、クリーニング店の店舗のみのお仕事をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか? 外からではわかりにくいですが、クリーニング店っ実は覚える事もやる事も沢山! 

 これからクリーニング店でお仕事しようと考えていらっしゃる方がおりましたら、是非参考にしてみて下さいね!

 クリーニングの工場でのお仕事内容は、また別の機会にお話しできればと思います。

ユウヤ

元クリーニング店マネージャー、クリーニング師資格持ち。母の影響で手芸が好き。 手あたり次第になんでもやりたい!でも飽きっぽいのが難点。 猫、映画、パン屋、アニメ、漫画、声優、占い、文房具、3次元}全てのヲタクです。 今までの経験を元に、色々な情報を発信していけたらいいな!と思っております。

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