名もなき手帳

自分の色

私の色は、何色か。

広告や、雑誌の片隅で見かける「パーソナルカラー」

それは肌の色で、似あう色や洋服のデザインなどをわかりやすく教えてくれる。

じゃあ、自分自身の「ソウルカラー」って何色なんだろう?と。

アイドルや漫画のキャラクターには、よくイメージカラーがある。

それは印象付ける為の色。

それなら、私は、どんな色なんだろうか。

人によって答えは違う。

言われたことのある色は、

紫、藍色、深紅、黒、ダークグリーン。

ピンクが似合うと言ってくれた人もいる。

ふと、自分で考えてみる。

どのいろも、自分らしく感じる。

紫、藍色、深紅、ダークグリーン、それと黒。  

私の色は、固定されない。

角度によって、光の強さによって、言葉を受け取った瞬間によって……変わるんだと思う。

たぶん、私は“カラスの濡れ羽色”みたいな存在なのかもしれない。  

カラスの羽のように、一見すると黒。 でも、よく見れば緑や紫や赤が光に揺れて浮かぶ。  

しかもその色は、見る人によって違うし、時間によっても違う。

私の本質は、たぶん変わっていない。  

静けさのなかに熱を持っていて、柔らかいところに鋭さがあって、何度もグラついては戻ってくる。  

それなのに、見られ方は揺れる。 評価も印象も、偏光のように変わる。  

それが、すこし誇らしい。

「あなたは何色?」  

そう問いかけられたとき、私は素直に答えられるかもしれない。  

私の色は、見る人によって変わる。  

でも、どの色も“私”だ。

変わるからこそ、豊か。  

定まらないからこそ、開かれている。

物語の終幕の感じ方が、人それぞれであるように、

きっと私の色も、それぞれの色で出来ていて、

それが何より、【私の色】なんだと思う。

悠生 朔也

こんにちは、綴り手の悠生 朔也(ゆうき さくや)と申します。 日々の中でふと零れ落ちた感情や、 言葉になりきらなかった風景を、ひとつひとつ、そっとすくい上げています。 この場所では、そんな断片たちを形にして作られた物語たちを飾っています。 完成や正解ではなく、ただ「そこに在る」。 その静かな揺らぎを、誰かと分かち合えたら嬉しいです。

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