悠生 朔也

こんにちは、綴り手の悠生 朔也(ゆうき さくや)と申します。 日々の中でふと零れ落ちた感情や、 言葉になりきらなかった風景を、ひとつひとつ、そっとすくい上げています。 この場所では、そんな断片たちを形にして作られた物語たちを飾っています。 完成や正解ではなく、ただ「そこに在る」。 その静かな揺らぎを、誰かと分かち合えたら嬉しいです。

朽ちたベラドンナに咲く

 涼はきっと、気が付いている。  あの日、あの人から言われた言葉が、ずっと頭の中を回って巡って、涼の顔を見る度に自分の居場所を探すようになってしまった。  あれからどれくらい時間がたったのか、もうよく ...

人体実験 3ヶ月目

2025/12/3    ,

人体実験レポート 期間 2025/8/28~2025/11/29現在 【実験内容】 ・スクワット20回×2 ・プランク 20秒 ・スキンケア 朝夕2回 ・小顔ベルト 20分 ・水分(ゴボウ茶と麦茶)  ...

ベラドンナの罰

 大学の図書館に一人、涼はゆったりと座りながら本をめくる。  本の表紙にはソクラテスの弁明と書かれている。 それをじっくりと、かみしめるように眺めては、無表情のまま、ペラリと頁をめくった。  緋翔の様 ...

透明なベラドンナ

 翌朝、涼は緋翔の寝顔を見つめながら、内側からふつふつと湧き上がる感情に、ただ黙った。  緋翔はベッドの上で、まだ静かに寝息を立てている。  もうすぐ朝食の時間。 いつもなら、涼よりも早く起きている事 ...

理解されにくい自分でいる事

2025/11/19  

私には昔から、 言葉や音に“深度”を見てしまう癖がある。 軽いものは、耳の奥に入る事もなく流れて消えて、 重いものは、胸の底に沈んでいく。 その沈み方で、感情の本気度を見てしまう。 音楽もそう。 メロ ...

ベラドンナの鏡

 喫茶店を出てから、ぼんやりと通りを歩いて、気が付けば、涼と出会った公園まで来ていた。  木々が生い茂り、人の視線の届かない、湿った地面の上に腰を下ろして、膝を抱える。 手に持っていたビニールの袋は、 ...

感じる時間、老いる身体

2025/11/14    , ,

時間の概念は、人によって同じではない。 それは、人間だけではなく、生き物全てに言える事だと思う。 1年、365日(366日)、8760時間(8784時間)。 数字としてみたら、同じのように見える。 で ...

SE7EN 綺麗事では終わらない世界

2025/11/14  

自分の好きな映画の一つ【セブン】を語りたい。  有名作品だし、個人的に好きな俳優さんであるモーガン・フリーマンも出ていて、私的には神作品の一つです。  ざっと簡単にあらすじ。  ベテラン刑事のサマセッ ...

ベラドンナの幸福論

 いつものドラッグストアは、その日も変わらずまばらに人が出入りしていた。 緑のラインに白い文字の自動ドアを過ぎて、緋翔はヘアカラーの売り場に向かう。  日焼け止めと、保湿剤を左手に。 期間限定のシャン ...

滲むベラドンナ

 違和感は、態度よりも香りで伝わった。  緑茶に、強く残るカシスの匂い。 甘くて、どろりとした重たい匂いが、緋翔の脳に広がる。 それは泥の沼のように、ぐちゃりと、粘度の高い感情を滲ませた。 「誰かと、 ...