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透明なベラドンナ
翌朝、涼は緋翔の寝顔を見つめながら、内側からふつふつと湧き上がる感情に、ただ黙った。 緋翔はベッドの上で、まだ静かに寝息を立てている。 もうすぐ朝食の時間。 いつもなら、涼よりも早く起きている事 ...
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理解されにくい自分でいる事
2025/11/19
私には昔から、 言葉や音に“深度”を見てしまう癖がある。 軽いものは、耳の奥に入る事もなく流れて消えて、 重いものは、胸の底に沈んでいく。 その沈み方で、感情の本気度を見てしまう。 音楽もそう。 メロ ...
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ベラドンナの鏡
喫茶店を出てから、ぼんやりと通りを歩いて、気が付けば、涼と出会った公園まで来ていた。 木々が生い茂り、人の視線の届かない、湿った地面の上に腰を下ろして、膝を抱える。 手に持っていたビニールの袋は、 ...
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感じる時間、老いる身体
時間の概念は、人によって同じではない。 それは、人間だけではなく、生き物全てに言える事だと思う。 1年、365日(366日)、8760時間(8784時間)。 数字としてみたら、同じのように見える。 で ...
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SE7EN 綺麗事では終わらない世界
2025/11/14
自分の好きな映画の一つ【セブン】を語りたい。 有名作品だし、個人的に好きな俳優さんであるモーガン・フリーマンも出ていて、私的には神作品の一つです。 ざっと簡単にあらすじ。 ベテラン刑事のサマセッ ...
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ベラドンナの幸福論
いつものドラッグストアは、その日も変わらずまばらに人が出入りしていた。 緑のラインに白い文字の自動ドアを過ぎて、緋翔はヘアカラーの売り場に向かう。 日焼け止めと、保湿剤を左手に。 期間限定のシャン ...
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滲むベラドンナ
違和感は、態度よりも香りで伝わった。 緑茶に、強く残るカシスの匂い。 甘くて、どろりとした重たい匂いが、緋翔の脳に広がる。 それは泥の沼のように、ぐちゃりと、粘度の高い感情を滲ませた。 「誰かと、 ...
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人体実験 ― 二ヶ月目 ―
人体実験レポート 期間 2025/8/28~2025/10/29現在 【実験内容】 ・スクワット20回×2 ・プランク 20秒 ・スキンケア 朝夕2回 ・小顔ベルト 20分 ・水分(ゴボウ茶と麦茶) ...
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ベラドンナの指先
「ねぇ、鷹村君。 私思うの。 あの子は、あなたにふさわしくないって」 夕暮れの光を背に、その女性はそう告げた。 乾いた風が吹いて、その黒くて長い緩やかなウェーブが煙の様に広がる。 立ち止まったま ...
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ルピナスの味
緋翔はスマホを取り出すと、ただ「おはよう」とだけ打ち込んで、返事も待たずにそっとテーブルに置いた。 薄暗い部屋に、淡い色のカーテンが僅かに揺れている。 窓の外は暗い。 雨は上がり、わずかに雲の上 ...