悠生 朔也

こんにちは、綴り手の悠生 朔也(ゆうき さくや)と申します。 日々の中でふと零れ落ちた感情や、 言葉になりきらなかった風景を、ひとつひとつ、そっとすくい上げています。 この場所では、そんな断片たちを形にして作られた物語たちを飾っています。 完成や正解ではなく、ただ「そこに在る」。 その静かな揺らぎを、誰かと分かち合えたら嬉しいです。

人体実験 ― 二ヶ月目 ―

人体実験レポート 期間 2025/8/28~2025/10/29現在 【実験内容】 ・スクワット20回×2 ・プランク 20秒 ・スキンケア 朝夕2回 ・小顔ベルト 20分 ・水分(ゴボウ茶と麦茶)  ...

ベラドンナの指先

「ねぇ、鷹村君。 私思うの。 あの子は、あなたにふさわしくないって」  夕暮れの光を背に、その女性はそう告げた。  乾いた風が吹いて、その黒くて長い緩やかなウェーブが煙の様に広がる。  立ち止まったま ...

ルピナスの味

 緋翔はスマホを取り出すと、ただ「おはよう」とだけ打ち込んで、返事も待たずにそっとテーブルに置いた。  薄暗い部屋に、淡い色のカーテンが僅かに揺れている。  窓の外は暗い。 雨は上がり、わずかに雲の上 ...

訪問

2025/10/16    ,

 その夜も、ただパソコンに向かっていた。  試行錯誤しながら、文字を打っては消し、悩みながら画面と向き合う。  膝では愛猫が心地よさそうに寝息を立てている。  今日はそろそろ終わりにしようと思った矢先 ...

クレマチスの朝

「わ、びしょびしょ」  そう言って、緋翔は足早にバスルームへ駆け込むと、大きなタオルを涼の頭にすっぽりとかぶせた。  がしがしと乱雑に拭くその腕を掴む。 細すぎず、骨の太さがわかるよな、白い腕。  涼 ...

ぶつかりおじさん遭遇記

 先日、スーパーでのこと。  普通に、買い物をしていた。 ちょうどお菓子コーナーで、選んでいた時 ――  ドン、と勢いよくぶつかられた。  端っこによっていたし、横には通れる隙間も十分ある。 私は思っ ...

滲むラナンキュラス

 教室の窓から見える空では、雲が足早に過ぎていく。 木々の隙間から見えるその奥に、うっすらと暗い雲がゆっくりと顔をのぞかせていた。  涼はその空を、何の感情もなくただ見つめる。 遠くで聞こえる教授の声 ...

人体実験:1か月目

 「成功」か「失敗」かの二択はもう疲れた。  だから私は、自分の体を実験台にすることにした。    私は昔から太っていた。  それこそ、恐らく小学生の時には普通よりもふくよかであったし、成人してからは ...

黄色に染まる百合

2025/9/25  

その日も穏やかな、赤い一日のはずだった。  涼は変わらず、何も面白味もない大学へと向かい、緋翔は家でその時間を適当に過ごす。 冬の寒さも朝方には落ち着いてきた季節。 窓辺には、これから開こうとする桜の ...

詩と小説の狭間 —— それぞれの、答え ——

 ―— 自分の作品について思う事。  どうしても、風景とか五感をメインに書くのが好きで、  小説の定番の書き方からは逸脱していると思っている。  だからと言って、詩か?と問われたら、詩でもない。  詩 ...