名もなき手帳

地球語で話してくれませんか?

宇宙人は案外、日本に沢山いるのかもしれない。

「アジェンダをフィックスして、リスケはアサップで」
 
——この一文を聞いた時、私は思った。  
きっと、この人は、地球外生命体なんだ、と。

 
◆カタカナビジネス用語は効率的?
 
 昨今のビジネス用語について、何でわざわざカタカナを使いたがるのかが、いまいちピンと来ない。
 目的としては、「効率」だと言ってはいるものの
 結局わかりにくいままで、「遠回り」しているように感じる。
 
「アジェンダをフィックスする」
よりも、
「議題を決めよう」
の方がわかりやすいし、文字数も少ないし、シンプルだ。
 
「リスケする」よりも
「スケジュールの調整」のほうが、なんだか安心する。
 
「アサインする」より
「仕事を割り振る」方が、指示として言葉の効力があがる気がする。
 
「この資料のエビデンスは?」というのと
「この資料の根拠は?」というの、どちらも同じだけれど、
エビデンスを使う方が「何となく社会人っぽく」見えるのかもしれない。
 
 ように、【知ってる自分かっこいい】という仮面がチラチラと見え隠れしているように感じる。
 えてして、この言葉を使っている人に限って、やたらとそれを知らない事を上から目線で言って、説明すらしない人が多い気がする。


◆宇宙人か、プライドエベレストか
 
  頭のいい人って、相手に理解出来るように調整できる人だと、私は思う。
 だから、カタカナばっかりの人は、きっと宇宙人で、相手に合わせるのがまだ難しいんだと思っている。
 昔「トラディショナルな仕上をしてくれ」と言って騒いでいたお客様がいたけれど、七十近いパートのおばちゃんが困った顔しているのに、ひたすら「トラディショナル!たのむよ!」と言うだけで、一度も【伝統的な】とは説明すらしていなかった。
 だから、【宇宙人】か、
【くだらないプライドを持ったおつむの弱い人】のどちらかなんだと思った。
 まさかそんなくだらないプライドを持っている人は少ないだろうから、多分きっと、あの人は宇宙人だった。と、今は思っている。
 
 
◆ワールドワイドって、言うならさ
 
 そもそも、ワールドワイドというのなら、いっそ
「英語話せるようになろう」と言ってくれた方がわかりやすい。
 
 なぜ中途半端に「アサップ」やら「フィードバック」やら「NR」やら使うのか?
 人々が使うようになったものなら、それは流行、文化の一つだから、理解が出来る。
 それこそ、「まじか」「それな」「りょ」なんていうのは、昔は無かった言葉だし、今は当たり前に使われている。 これは、誰もが使いやすいから、使っている。
 
 しかし、昨今の会社での「カタカナ強要」は、何か違わないか?と思ってしまう。
使いにくさを強要する、それって、「効率悪い」のではないか?と。
 
 
 もし、ワールドワイドでカタカナで、それを強要するっていうなら、以下の文言も理解してほしいと思う。
 
 
「部長……サンキュー!!!」
 
 怒らないでね?だって、ありがとうございますって、言っただけなんだからさ。
 あなたは、どう思いますか?
 身近に、宇宙人、いたりしませんか?

悠生 朔也

こんにちは、綴り手の悠生 朔也(ゆうき さくや)と申します。 日々の中でふと零れ落ちた感情や、 言葉になりきらなかった風景を、ひとつひとつ、そっとすくい上げています。 この場所では、そんな断片たちを形にして作られた物語たちを飾っています。 完成や正解ではなく、ただ「そこに在る」。 その静かな揺らぎを、誰かと分かち合えたら嬉しいです。

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